ブランディングを成功させるには、プロジェクトの設計図であるステップをしっかりと組むことが大切です。ブランディングのステップは、大きく分けて①プロジェクトのセットアップ、②調査分析、③戦略立案、④実行の4つで、各ステップのTODOは、案件/解決したい課題によって変わります。
BRAND QUEST
弊社では、ブランディングプロジェクトを始める前にクライアントへプロジェクトステップと各ステップのTODO、成果物、スケジュール、コストを5スライド程度にまとめたBRAND QUESTという資料をお渡ししてクライアントに承諾を得てからプロジェクトを始めるようにしてます。BRAND QUESTは、ブランディングの旅のしおりのようなもので(※外資系出身なのでフレームワークに一つひとつネーミングする癖があります。)、その一部をお見せしてブランディングプロジェクトの鍵をご紹介したいと思います。
※各ステップのTODOは案件によって変わり機密情報になるのでここではマスキング処理をしてます。
プロジェクトの鍵①:マネジメント層を巻き込む
ブランディングプロジェクトは、重要な経営マターなのでマネジメント層の関与が必須となります。プロジェクトの立ち上げ時に、ブランディングの重要性、自社のブランディング上の課題、ブランディングプロジェクトの位置付け/マネジメント層のコミットメントなどを握るために、マネジメント層のオフサイトmtgを実施します。非日常空間で数日間集中して自社のブランド戦略について議論し、ブランディングプロジェクトの方向性を固めるのが目的です。※オフサイトmtgが難しい場合は、マネジメント層に個別にデプスインタビューをしてそれを弊社でワンボイスにまとめてマネジメント会議で報告するという流れになります。
プロジェクトの鍵②:プロジェクトメンバーの選定
ブランディングプロジェクトのセットアップのフェーズで、プロジェクトメンバーの選定とありますが、ブランディングプロジェクトは主幹部署とは別に、各部署から選抜されたメンバーを加えて推進していきます。主管部署は、経営企画部、マーケティングコミュニケーション部、ブランド推進部、広報部、など各社様々ですが日常業務の中でブランドに深く関わっている部署になり、プロジェクト推進のために新しく部署が新設されることもあります。各部署から組織横断的に選抜されたメンバーは、経理や総務などのバックオフィス系から、開発や店舗運営、情シス、CS、マーケ、など基本的には自分の部署を全体的に語ることができる中堅社員になりますが若手社員も入れて年齢層が偏らないようにバランスを取ることが重要です。このメンバー選定の狙いは、プロジェクトを通じて将来の経営リーダー/ブランドアンバサダーを育成するという点もあります。
プロジェクトの鍵③:ワークショップ
ブランディングプロジェクトの分析フェーズで最も重要なのがワークショップです。これは、プロジェクトの主管部署のメンバーと各部署からの選抜メンバーに参加頂きます。全体を3チームに分けて、こちらで用意したフレームワークに沿ってブランドの将来のあるべき姿などを雑誌を切り貼りしながら画像と言葉で定義していくという課題にチーム別に取り組んで頂き、チームの代表者が自分達のチームのアイデアを発表した後に私がモデレーターとなって全チームの意見を反映させた最終案を作成するという流れです。参加者の方々からは「大人になってからこういう手作業をするのが新鮮で楽しい」とか「課題に沿って集中して改めて自社のブランドを考えると今までと違う見え方がした」など、とても好評を頂いてます。ブランド構築には従業員の意思も大きな要素なので、普段の業務とは違う場所で私服で参加頂きドリンクやスイーツも自由に飲食頂くなどリラックスした環境作りをして皆さんの「インサイト」を得られるようなワークショップ運営をすることが大切です。
※ブランド戦略のフェーズに記載してあるbrandscopeとbrandsoulは弊社独自のフレームワークになるので、別途解説いたします。