成功するIT系の企業には「遊び心」がある。

私は新卒以来一貫してIT系のクライアントを担当してきましたが、様々な企業のブランディング/マーケティング、PR、広告の支援をしてきた中で「成功するIT系企業には『遊び心』がある」ということを確信してます。「遊び心」を含むIT系企業の成功の要素をブランディングに取り入れる秘訣をご紹介します。

IT系企業が成功する鍵

まず最初にIT系企業の成功の鍵を定義すると、①唯一無二の商品/サービス、②強い企業文化、③ブランドの神秘、④市場を独占、④遊び心、の5点になります。①から⑤は全て相互にリンクしているのもポイントです。スタートアップを成功させるために必要な情報になるので、以下詳細をご説明していきます。

例えば、①の唯一無二の商品/サービスや②の強い企業文化、③ブランドの神秘があるからこのブランドの指名買いが起こり(=ブランドのロイヤリティが高い)、市場を独占できると言えます。③のブランドの神秘は、レシピを門外不出の最重要機密事項にしているコカコーラや、Diorの神秘的な世界観、アルゴリズムを非公開にしているGoogleなど。言い換えるとノウハウが企業秘密になっているということですが、ここで重要なのが、もし仮に公開したとしてもブランドを構成する歴史やアイコン的存在の創業者/クリエイター、ブランドが顧客に約束している提供価値、ブランドイメージなどその他の要素で他を圧倒しているので勝てるということです。

また、④の遊び心は例えば、Googleのように個性的で斬新なオフィスデザイン、プログラムの新バージョンを開発するたびにマンガ付きのTシャツを作っているPalantir(パランティア)のエンジニア、隠れ機能満載のTesla(テスラ)、社員が勤務時間の20%を自分自身のやりたいプロジェクトや創造的アイデアに費やせるGoogleの20%ルール(※現在は許可制)など。こうした④の遊び心は、②の強い企業文化の中にイノベーションや挑戦を肯定する要素があることから生まれるため、④の遊び心がある企業では、社員に高い心理的安全性が担保され、創造性や生産性が向上するため、①唯一無二の商品/サービスが生まれ、④市場を独占できるようになると言えます。

「遊び心」にはストーリー性を持たせることが大切

成功企業の遊び心の要素だけを自社に取り入れても、それが自社ブランドとの親和性が低かったらあまり意味がありません。下記画像は、弊社のブランド戦略立案の手法の一つなのですが、ブランドストラクチャーと呼んでいるブランドのポジショニング、ブランドの属性(どのようにブランドを連想されたいか)、コアエッセンス(ブランドに必要不可欠な要素)、ブランドパーソナリティ(人格に例えると)や、MVV、そしてブランドの世界観と相互に矛盾なく、ストーリーが生まれるように緻密に設計する必要があります。そして、何よりも大切なのがこのブランディングに「遊び心」を加える戦略立案こそが上記の③ブランドの神秘に該当するので、弊社ではクライアントのブランディングプロジェクトのコアメンバーのみ、スタートアップの場合は創業者/創業メンバーのみとクローズドの環境で開発してます。