「パーソナルブランディングはお願いできますか?」と質問されることも少なくありません。弊社はB2Bビジネスなので基本的に企業のコーポレート、商品・サービスのブランディングサービスを提供しており、一部限定的ではありますが既存顧客の社長・起業家を対象としたパーソナルブランディングサービスであればオプションとして提供することもあります。
限定的にパーソナルブランディングを提供し始めた経緯
私は2005年に外資系ブランディングエージェンシーで新卒のキャリアをスタートし、その後はサマンサタバサでPRを電通で広告の仕事に従事した上で、ブランディングの領域で独立しました。様々な経験を経てからも、大学4年生でブランディングの仕事を初めて知った頃に強く感じた「ブランディングはアートとサイエンスの両方の専門的知見が必要な仕事」という認識に変わりはありません。だからこそ、世間一般的に広まっている「パーソナルブランディング」に対してブランディングという概念が少し陳腐化されているように感じてしまって、弊社でパーソナルブランディングのサービスを提供しないことはある意味において私の仕事の矜持でもありました。
ですが、主にスタートアップ企業のブランディングを支援している中で起業家の方から「リーダーシップの体現の仕方」や「従業員のエンゲージメントを上げるために自分の言動で気をつけること」「自分自身のメンタルヘルスやモチベーションを上げる方法」「メディアで露出する際の訴求内容や自身のスタイリング」などパーソナルな相談を受けることが多くなり、限定的に既存顧客の社長・起業家を対象に必要に応じてパーソナルブランディングサービスをブランディングとコーチング、メンタルヘルスケア/ウェルビーイングのメソッドを合わせた形で提供するようになりました。
起業家にパーソナルブランディングサービスが必要な理由
Appleのように創業者が会社のアイコンとなる場合に限らず、一般的にスタートアップ企業においては創業者のキャラクターが企業文化に強く影響を与えます。弊社ではスタートアップ企業のMVVや企業文化策定、インターナルブランディング(従業員のエンゲージメント向上施策)、PR支援などを行っているため、既存顧客の社長・起業家の文脈でのパーソナルブランディングであれば、弊社がこれまで培ってきたブランディングのアートとサイエンス両方の専門的知見を活かして(=ブランディングの概念の陳腐化にならない)、スタートアップ企業のブランディングに相乗効果をもたらすことができます。
また、インテルを世界的な企業に育て上げ、シリコンバレーの経営者を中心に世界中の経営者から尊敬されているアンドリュー・グローブ氏のモットーである「パラノイア(超心配性)だけが生き残る」という言葉が端的に示すように、予測不可能な時代をサバイブするために経営者はあらゆる可能性・リスクを想定しその都度正しい判断をしていくことが求められます。起業家の置かれた環境は非常にハードでストレスフル、しかも孤独。更に、起業家タイプには元々ADHDやASD的な気質を持った人が多く、感性や個性が豊かでハードワーカーなためメンタルヘルスが悪化しやすく、起業家が成功するためにはコーチングやメンタルヘルスケア/ウェルビーイングのプログラムが必須と言えます。