インターナルブランディングとは

インターナルブランディングとは、企業理念や価値観などのブランド戦略を社内に浸透させて従業員一人ひとりがブランドの「目指すべき姿」の実現のためにどうすれば良いのか考え、実践できるようになるためのマネジメント施策のことです。ブランディングの目的は企業価値の向上・最大化なので、社外向けのブランディング施策と同時に「ブランドを内側から強くする施策」であるインターナルブランディングも遂行することが必要不可欠です。

ブランドで全てのビジネス活動をマネジメントする

インターナルブランディングの目的は、企業の目指すべき姿を社内に浸透させることで従業員の意識や行動を変えて、エンゲージメント(会社に対するロイヤリティや貢献意欲)を高めることです。強いブランド企業は、企業理念や価値観などのブランド戦略に基づいてビジネス活動が行われており、従業員一人ひとりがブランドを体現できています。それは通常の社員教育と同様もしくはそれ以上に、「ブランドエンゲージメント教育」も企画から戦略立案、実行まで徹底されているからです。

一方で、多くの企業は「そもそもブランド戦略が不十分」「ブランド戦略ができていても、ブランドの浸透・定着が進まない、阻害要因の特定ができてない」という課題を抱えています。強いブランドを構築するためには①ブランドの現状分析(従業員調査を含む)、②ブランド戦略立案、③ブランド戦略の社内浸透施策など各種施策の実行、という3つのフェーズのブランディングプロジェクトを遂行してブランディングとインターナルブランディングの両軸でブランド構築を行う必要があるのですが、1つのフェーズ単体や1〜2フェーズだけしか出来ていない事例が多いように思います。

インターナルブランディングを成功させるためには

前述の企業が抱える課題は、以下のインターナルブランディングを成功させるポイントを抑えると解決することができます。

POINT①「そもそものブランド戦略を要件に沿って過不足なく揃える」:ブランディングをする目的が共有されていない、ブランドのあるべき姿が明確に描けていない、MVVなどブランドのメッセージが壮大すぎて具体的な内容が伝わってこない/不明瞭で独自性もない、ブランディングの要素が体系立ってない/整合性が取れていない、などのブランディングでよくある課題があればインターナルブランディングをする前に土台となるブランド戦略の改善を先に解決することが大切です。

POINT②「ツールの開発・コミュニケーション設計を戦略的に行う」:ブランドの社内浸透に効果的なのがブランドブックなど各種ツールの開発です。ブランドブックは、ブランドの世界観を体現するトンマナであることは大前提で、それに加えて読み手がブランドを正しく理解して共感できるように左脳と右脳の両方を刺激するデザイン・コンテンツであることが大切です。また、ただ単にツールを配布して終わりではなく、どのタイミングでどのように伝えるかなどストーリーテリングの手法をもとに社内展開のコミュニケーション設計を行う必要があります。

POINT③「ブランドの目指す姿という軸で、人事制度・施策とも有機的に連動させる」:ブランドエンゲージメントを実現させるためには、従業員一人ひとりのモチベーションを高めることができるように、楽しく学べるブランドツールを作成することはもちろん、人事評価や報酬などの各種人事制度・施策とも有機的に連動させてインターナルブランディング施策を遂行する必要があります。「社内でヨガができる」とか「社員食堂が充実している」ことをインターナルブランディングと謳っている企業も少なからずありますが、ヨガや社員食堂などは福利厚生であってインターナルブランディングではありません。インターナルブランディングはあくまでも「ブランドのあるべき姿を従業員一人ひとりが理解して体現できるようにすることでブランド価値最大化を狙う」施策です。ブランド啓蒙ツールによるブランドエンゲージメント教育がなされていて、且つ、ブランドのあるべき姿と連動して/他のブランドメッセージとのストーリーとの延長線上にあった上でのヨガや社員食堂などの導入であれば、インターナルブランディングの追加オプション施策であるとは評価できると思います。

インターナルブランディングは通常のブランディング以上にイメージが付きにくい分野だと思います。弊社の事例紹介とともにご説明させて頂くことで理解が深まるかと思いますので、お気軽にお問い合わせください。