調査分析や戦略立案時に使用頻度が高いフレームワークの一つは、カスタマージャーニーです。カスタマージャーニーとは、顧客が製品・サービスと出会い、興味関心を深め、購入・契約に至るシナリオを時系列に分析する手法です。マップ化することで、ブランディング/マーケティング、PR、広告の成果の最大化に繋げることができます。
カスターマージャーニーの事例
弊社では案件によってカスタマージャーニーの構成要素を若干変えてます。基本的には、横軸にAISAS(アイサス:Attention /注意→ Interest /関心→ Search /検索→ Action /行動→ Share /共有の頭文字を取ったもの)やSIPS(シップス:Sympathize /共感する→Identify /確認する→Participate /参加する→Share&Spread /共有・拡散するの頭文字をとったもの)など消費者の購買行動プロセスを説明するモデルにブランディングの要素を最後に付け加えて、縦軸に顧客インサイトやタッチポイント、訴求内容などを取るようにしています。(以下のスライド参照)
横軸のポイント:AISASにするのか、SIPSにするのか、それとも併合にするのか、そして最後にプラスするブランディングの差別化要素・仕掛けは、商材や顧客ターゲット属性によって最適なものが変わってきます。例えば40代以上が顧客ターゲットであればAISASモデルの方が合うし、Z世代や若い世代であればSIPSモデルの方が有効に働きます。その他、自動車や不動産、教育、専門性の高い趣味や嗜好品など購買時に比較検討といった消費者の思考が多く関与する高関与商材の場合は、比較検討プロセスを重点的に分析する必要があるので、商材の特性も考慮して作業を進めていきます。
縦軸のポイント:カスタマージャーニーの目的は、どのタッチポイント(顧客接点)でどのようなメッセージに触れたら顧客の心が動き、次のステップへ移行するのかを明らかにしてブランディングやマーケティング、PR、広告の施策の成果を最大化を図ることなので、縦軸は顧客インサイト、タッチポイント、訴求要素の3点は必要不可欠です。また、カスタマージャーニーのレポートはASIS(現状分析)とTOBE(理想像)の2点を作成することが多いので、ASISの場合は、訴求要素の下に課題を入れることもあります。
顧客インサイト
カスタマージャーニーの作成時に一番難しく、徹底的に工数を掛けないといけないのは顧客インサイトです。顧客や競合がまだ気づいていない「アンメットニーズ」や「本音」を解明するためには、デスクリサーチだけではなくて定量調査や定性調査(FGI、1on1などのデプスインタビュー)などの手法も取り入れて想像力を働かせながら顧客インサイトを探り当てることが大切です。