外資系広告代理店の強みとクレデンシャル資料

ビジネスパーソンにとって新卒で入った会社の影響というのは計り知れないもので、何度か転職しても起業してからも1社目で意識的/無意識的に体得したカルチャーこそが社会人としての輪郭を形成するのだと痛感してます。私が新卒入社したのは外資系のブランディングエージェンシーで、恵比寿にある外資系広告代理店Ogilvy and Matherとのジョイントベンチャーだったので、Ogilvy and Matherの研修も受けたり協働したりすることも多く、幸いにも外資系2社の仕事の哲学と手法を学ぶことができました。

外資系広告代理店の強み

私は外資系広告代理店も日系大手広告代理店も両方を経験しているので、それぞれの強みを経験と分析に基づいて一人称で語ることができるのが強みだと思ってます。外資系広告代理店と日系大手広告代理店の違いとしてはフィー制度かコミッション制かというビジネススタイルの違いについて言及されることが多いようですが、それは表層的なものに過ぎずもっと本質的な違いはクライアントの説得手法にあるのではないかと考えてます。外資系広告代理店は独特の理論武装で、日系大手広告代理店はクリエイティブと広告枠の提案で、クライアントを説得するのに長けているという印象です。

外資系広告代理店では、ざっくりいうと①調査分析→②戦略立案→③実行(広告など)という3つの広告業務のフェーズ全てで独自の哲学と手法を活用して論理的に語っていくようなプレゼン資料の作り方と話し方をするので、「正しい提案がなされている」という空気感も醸成されて、クライアントの説得に繋がっているように思います。私自身、新卒からずっとこのプレゼンスタイルを貫いているのですが、このようなプレゼンの作り込みにしておくと、例えば、担当部署→経営層→社長や、日本支社→アジアパシフィック(リージョン)→本国というように段階的にアプルーバル(承認)をもらっていくプレゼンプロセス中でも細かいところまで常に一貫した内容で提案ができるというのも、マネジメントしやすかったりします。

外資系広告代理店のクレデンシャル資料

この外資系広告代理店のプレゼン術が端的にまとまっているのがクレデンシャル資料です。Credentialという単語には、(仕事・任務などの遂行に必要な)資格、資質、経歴という意味があり、ビジネスシーンでの「クレデンシャル資料」とは、クライアントに対して自社の説明と実績紹介をする資料のことなので「会社説明+ポートフォリオ」のようなイメージです。特に会社説明のパートでは、会社概要、業務領域、哲学、手法などをかなり掘り下げた内容で作成することが重要なのですが、この資料の作成自体がコーポレートブランディングの鍵といっても過言ではないと思います。B2Bの企業でクレデンシャル資料を作らないのも、作ってるけどクレデンシャル使用のお作法に則っておらず要素・訴求力が足りないのも、作ったままでアップデートしないのも大きな機会ロスと言えます。弊社ではIT系、コンサル、広告代理店、WEB制作会社、WEBマーケなどB2Bのクライアントのコーポレートブランディングのプロジェクトや営業改善コンサルなどのプロジェクトでは必ずクレデンシャル資料を刷新する提案を行いますし、弊社のクレデンシャル資料も年始に必ず刷新してます。

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