ブランディングとカラー

幸せを運ぶ「ティファニーブルー」は、ティファニーのデザイン、商品パッケージ、広告などあらゆる素材において全て一貫した色調で統一されています。私は会社員時代にティファニーのアカウントを担当していてブランドの象徴であるティファニーブルーのマネジメントにも携わっていましたが、グリーンとブルーが混ざった独特の色を戦略的に活用することでブランドが更に強化されるというベストプラクティスに関わることができたのは非常に幸福なことでたくさんの学びがありました。ブランディングにおける「色」は、企業や商品・サービスの理念やビジョン、世界観を視覚的に伝える極めて重要な要素だと断言できます。今回は、ブランドとカラーの切り口でブランディングの理論と実務のお話しができればと思います。

ブランドのカラーは赤と青の二強

ブランドの世界では、世界の国旗と同様に赤と青が最も使用されています。赤は本能的に目立つ色で、「エネルギー、情熱、興奮」と見なされていて、ブランディングの世界では小売店用の色とされています。例えば、コカコーラやユニクロなどのロゴが赤です。一方、赤の反対色である青は穏やかで落ち着いた色。「信頼、知性、プロフェッショナル」という属性と関連するため、ブランディングの世界では企業用の色とされています。「ビッグ・ブルー」で知られているIBMやFacebook、LinkedInなどのロゴが青です。(ちなみに、弊社のロゴも青です。)また、三原色の残りの緑は、「自然」のイメージから、エコフレンドリーなブランドや環境に関連する業界、オーガニックブランドなどによく使用されています。

その他の中間色の特性と使用シーン

イエローはその明るさや親しみやすさから、元気、幸せ、喜びを強調する目的で使用されています。マクドナルドのロゴのゴールデンアーチ(黄色のM)が有名ですね。ちなみに黄色のロゴで連想されやすいフェラーリの黄色は、発祥の地であるイタリア・モデナ市の色から由来したそうです。

愛らしいイメージのピンクは、「遊び心、育成、幸福感」などの連想から、食品、テクノロジー、ファッション、化粧品と幅広い業界で使用されています。COSMOPOLITAN、Dunkin’ Donuts、baskin robbins(海外ではサーティーワンアイスクリームは2人の創業者のお名前のバスキン・ロビンスで展開されています)などが有名です。

SONYのVAIOのイメージが強い紫は、「知恵、富、高貴」を表す色ですが、色のトーンによっては遊び心や親しみやすさも表現できるため、IT系や化粧品、食料など様々な業界で使用されています。最近だとInstagramのロゴがよく知られています。

黒と白で作られたグレーは、ニュートラルで洗練された色。「プロフェッショナル、現代性」を醸し出し、他の色との相性が抜群に良いため他業界で使用されています。MercedesやJAGUAR、Wikipediaのロゴが有名です。

ブランドカラーの決め方

ブランドカラーを決める時、基本的にはブランドのTOBEのイメージを見据えて選びます。ですが、戦略上敢えてそこから外す場合もあります。ブランディングに色が貢献する力は偉大なため、弊社では様々な切り口から検証したプロセスも開示しながらブランドカラーの提案を行なってます。

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