ブランドにもリズムがある。

小さい頃にエレクトーンを習っていて私にとって音楽はずっと生活の一部で、新卒入社した会社でも常に洋楽が掛かっていたこともあり仕事環境においても音楽は欠かすことができません。様々なクライアント企業のブランディング、PR、広告に携わってきましたが、ブランドにもリズムがあるということを実感し弊社ではブランディングにもリズムの視点を取り入れてます。

ブランドのリズムとは

ブランドのリズムを決める主な要素は、①経営戦略の視点、②MVVとブランドパーソナリティ、③PRや広告などコミュニケーション設計、④顧客や取引先など各ステークホルダーとの関わり方、の4点です。弊社では、経営戦略からブランディング、PRや広告などのコミュニケーション、そして日々の業務まで、全てのタッチポイントにおいてそのブランドが正しい時間軸で正しい知覚が取れているか全体バランスはどうかという視点で、最終的なブランドの調律を行う感覚でブランディング構築プロジェクトの仕上げをしてます。調律の具体例を以下にまとめてみます。

①経営戦略の目線:例えばAmazonの徹底した顧客主義、20年先を見据えて事業を立ち上げているから四半期ごとの決算では評価できないということを公言しているLVMHのように、真の意味で中長期的な視点を持ち顧客と中長期的な関係を築くことに時間と労力を投資するブランドは、最高の利益を得ることができています。IT系のスタートアップは特に短期的な視点で経営戦略を立て短期的な利益を追求しがちですが、GoogleもAmazonも見通しが不透明な中でも創業時から経営戦略などコーポレート周りには慎重な姿勢を貫いてきたことから学ぶことが重要です。

②MVVとブランドパーソナリティ:優れた企業は、創業時の「全身全霊で没入してイノベーションに取り組む文化」を維持し続けることで成長し続けています。ブランドの真価とも言えるMVVとブランドパーソナリティに、従業員のエンゲージメント/パフォーマンスや意思決定のスピードを上げる仕掛け、イノベーションに対してオープンな姿勢を貫き続けることができる仕組み、未来を予見して創造と破壊の両方を上手く機能させるバランス感覚が、ブランドの持つ価値観と両立する形で定義されている必要があります。

③PRや広告などコミュニケーション:プレスリリースの発信やイベントの実施など、「ニュース」を発信する頻度やタイミングも、それぞれのブランドのパーソナリティに合致するように戦略的に設計する必要があります。また、中長期的に使用するブランド広告と、短期的に使用する商品・サービス広告の2つをどのように組み合わせてどのメディアに載せるのかに関しても、ブランドのパーソナリティとの合致はもちろんPRや販促などその他の施策と連動するように戦略的に予め設計しておくことが重要です。

④顧客や取引先など各ステークホルダーとの関わり方:B2C、B2Bに限らず顧客からの連絡に対する返信のタイミング、請求書の支払いサイト、顧客に発信するニュースレター/メルマガの配信タイミング、SNSの投稿タイミングなど、日々の業務には如実にブランドの本質が露出します。IT系企業なのに問い合わせメールに対して1週間以上も返信が滞る、支払いサイトが相場よりも長い2ヶ月後、ニュースレター/メルマガの頻度が高すぎる、上場企業なのにSNSの投稿が深夜にまで及んでいる、などブランドのパーソナリティとの合致はもちろん世間一般的な価値観・常識とのバランスも考慮してブランドを毀損しないように予めルール化しておく必要があります。