ブランドマントラとは?事例と解説

ブランドマントラとは、「ブランドの心と魂を捉えた短いフレーズ」と定義されています。例えば、Appleの「Think different」やDisneyの「fun family entertainment」のように、ブランドの機能と説明的で情緒的な修飾語とを組み合わせた2〜5単語で構成されていることが多いです。ブランドマントラが開発されるタイミングは、ブランドのポジショニングと同時だったりリブランディングする時だったりと様々ですが、グローバルブランドは例外なく早めの段階からブランドマントラを開発し、ブランディングを始めとする全ての企業活動が目指すべき「北極星」としています。

ブランドマントラの目的

ブランドマントラはあらゆる企業活動の「北極星」です。部門や立場を超えて従業員、マネジメント層、経営層、社外パートナー全員に、「顧客にとってブランドポジショニングの本質が何なのか」「ブランドのDNAとは何なのか」をしっかりと理解してもらい行動の指針としてもらうのがブランドマントラの目的になります。ブランドマントラは日々の業務、商品・サービス開発、宣伝広告活動、採用活動など、どの企業活動をしていても、全員が見上げることができる共通の「北極星」であり、あくまでも「組織内で意思統一を図る言葉」であるため、対外的に発信されるMVV、ブランドスローガン、ブランドプロミス、とは異なります。Starbucksのブランドマントラは「Rewarding Everyday Moments / 満足感を味わう日常のひと時」ですが、この事例を見ると部門や立場を超えて組織が一枚岩となって目指すべき「北極星=ブランドマントラ」であるということがよく分かるかと思います。

ブランドマントラの要件

前段で言及したブランドマントラの定義とも少し重複するのですが、ここでその要件を整理してみたいと思います。ブランドマントラの要件は以下の5つです。

①2〜5単語の短いフレーズであること。

②ブランドの本質を機能的及び情緒面の両軸で表現していること。

③ブランドのユニークさを端的に、且つ鮮明に表現していること。

④ブランドがどのカテゴリーに立脚しているかを示せていること。

⑤全関係者の気持ちを奮い立たせ、「自分事化」できる表現であること。

まず①の「表現を削ぎ落とす」ことが非常に難しいです。さらに、②③④の前提条件としての「ブランディングの各要素と連動している(矛盾していない)」をクリアさせること、⑤の前提条件としての「インターナルブランディングの要素を組み込むこと」を実現させることが、非常に緻密な設計が必要になるのでかなり高度なブランディングの知見が必要になります。

ブランドマントラを開発するタイミング

ブランド型経営のすべての企業活動には、目指すべき方向性を定めて指針となる「北極星」が必要です。北極星を見失っているようであれば見つけ出す必要があり、創業当初は明確に見据えることが出来ていたのに時間が経過してぼやけて見えてしまっているならば磨き上げる必要があります。理想を言うとブランドの立ち上げの際のブランドポジショニングを設定する前後でブランドマントラを開発するのがベストではありますが、実際にはリブランディングの際にブランドマントラを開発する事例がほとんどです。「ブランドマントラ」という表現を使用しなくても、「企業のNDAが薄れてきている」とか「社員皆の士気を上げる合言葉が欲しい」というようにまさにブランドマントラに関する課題や危機感を既にお持ちの方は多いと思います。ブランドマントラを開発するのに遅すぎることはありません。まずはお気軽にご相談頂ければと思います。

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