ずっとブランドと広告の仕事をしてきましたが、12月と3月が最も忙しいというのは今でも変わりません。12月はホリデーシーズンのプロモーションと年末進行。3月は新生活に向けたプロモーションとクライアントの決算月(※日本では3月決算の企業が多いです)。どちらも世の中の心弾むムードを横目に冷酷なほどタイトなスケジュールに追われるという悲哀が共通していて、体調を崩さないようにそして気持ちが挫けないように色々と苦心して乗り切ってきました。独立してからは、弊社の決算月が12月ということもあり(※外資系やスタートアップは12月決算の企業が多いです)12月はさらに忙しくなってしまいました。事業年度の総決算ということで、2024年の総括をしてみたいと思います。
ブランディング
2024年で一番多かったブランディングの案件はMVV策定とネーミング開発です。大企業の新規事業からスタートアップまで様々なクライアントから、自分が一番得意にしている領域でご依頼を頂きお褒めの言葉も賜りとても充実した1年を過ごすことができました。日本企業においてはブランディングが誤解されがちで、新規立ち上げの段階ではマーケティングを、そして立ち上がってしばらく経ってから梃入れとしてブランディングをというのが何故か主流になってしまっているのですが、大企業の新規事業のMVV策定案件のように、本来のあるべき姿である新規立ち上げ時にマーケティングもしながらブランディングのコアからしっかり作り込むという流れが今後定着していくのではという光を感じてます。
また、今年も自動車メーカー様から案件を頂くことができました。新卒の頃に初めて主幹となって回したプロジェクトは日産自動車様のコンセプトカーのネーミング開発。それがきっかけで当時勤務していた恵比寿ガーデンプレイスの近くにある日の丸自動車学校へ通ってマニュアル免許を取り、その後もブランディングプロジェクトに継続して参画し、独立後も含めてこれまで3社の自動車メーカー様のお仕事をさせて頂いてます。自動車業界は100年に1度の変革期を迎えていると言われてますが、今後も日本の基幹産業である自動車業界のためにできることを精一杯やっていくつもりです。(弊社はクライアントから頂いた情報は全て機密情報として厳重に取り扱っており、外資系広告代理店と同様に1業種1社制を採用してます。そのため同時期に同業種で2社と契約することはありません。但し、新規のご依頼で競合他社と契約中でも問題ないという場合は、既存クライアントにもご了承を頂いた上で契約しています。両者には社名はもちろん案件概要なども一切伝えてません。)
2024年のチャレンジとしては、外資系小売ブランドの担当領域を拡大できたこと。ブランドのアダプテーションからマーケティング、PR、販促と幅広く対応させて頂いてます。私にとって唯一の事業会社の勤務経験はサマンサタバサでのプレス(広報)のお仕事なのですが、小売ブランドは日々やるべきことがたくさんあって自由度が高くお客様の反応をダイレクトに頂けるので、「お客様と一緒にブランドを創っていく」という最旬のブランディングの手法を確立していきたいと日々奮闘中です。
エネルギーチャージ法
会社員時代はただ仕事をしているだけで何もしていないのに勝手に嫉妬されて理不尽な嫌がらせ攻撃をされることが多々ありました。一人じゃなく集団で攻撃してきたり、一人だったとしても集団の目の前で攻撃してくるから卑劣なんですよね。電通で男女の集団からハラスメントの範疇を超えた凄惨で陰湿な攻撃をされたこともあります。もう二度とあんな地獄の日々に戻りたくない。私にとって独立したメリットは付き合う会社も人も自分で選べることに尽きます。
仕事とかで負けたからってどうしてこんな醜悪なことができるんだろう。何もしていない人に対して一方的に集団で集団の前で攻撃するなんて普通の人にはできないし、私には何もかもが理解不能でした。悲しいというより、訳がわからない恐怖感や「ふざけんなよ」という怒りの方が強かったです。
先日同じ福岡出身のゴールデン・レトリバーの男の子(射手座)のYouTube動画を見ていたのですが、旅行先のドッグランに遊びに行った時に粗野な犬に噛まれてしまったんです。とても人ごととは思えず、「酷すぎる!ドッグランは犬の社交場。パブリックな場所に連れてくるなら躾をしっかりしてよ!運営会社も、お利口に楽しく遊んでる犬をしっかり守ってよ!安心安全な場所をマネジメントする責任があるでしょ!」と自分のことのように憤ってしまいました。ゴールデンの子はいつもキラキラとご機嫌に愛嬌たっぷりに過ごしているのに、一方的に攻撃されたことでしゅんと意気消沈してしまっていて、私も胸が苦しくなりました。
その後、家族にたくさん慰められて美味しいステーキを食べさせてもらったことでゴールデンの子は元気になり一安心したのですが、そこでハッと気づいたんです。あれ、私も似たような経験がある、だから感情移入しているんだと。電通の事件時は上長達も会社も守ってはくれませんでしたが、同じチームの先輩や社外の友人から「可愛いからね」とか「主人公はモブキャラに嫌がらせされるもの。人には役割分担があってそれは一生変わらない。そういう星に生まれたと思って受け入れた方が楽だよ。だって、そいつらになりたい?」など色々な言葉で励ましてもらったり、美味しいお寿司をご馳走してもらったり。時間軸で解決できる程度の攻撃ではないので、10年以上経った今でも古傷が痛むことがありますし、これまでは普通に出来たことで出来なくなったこともたくさんあります。今生きていることも、仕事ができることも、奇跡的なことだと思ってます。
同郷のゴールデンの男の子の動画から得たものは、①電通の事件の動画を見ることも誰かに見せることもこれで誰かを救うことに繋がるならという気持ちが芽生えたことで前ほど苦しくなくなったこと、②人も動物も生育環境でいっぱいの愛情と躾・教育を受けることが大切という学び、③まずは自分の感情を素直に受け入れて次に周囲の人に励ましてもらって美味しいご飯を食べることで人も動物も生きていくことができるという気づき、の3点です。