職場のバレンタイン方針を見直す時

今週金曜日はバレンタインデー。今年はカカオ豆の歴史的な価格高騰や物価高の影響を受け、チョコレートの価格も大幅値上がり。この機会にこそ職場のバレンタイン方針を見直すべきではないでしょうか。(ライトな)インターナルブランディングの観点から職場のバレンタインの在り方を考えていきたいと思います。

外資系のバレンタイン事情と日系との比較

私が新卒入社した外資系ブランディングエージェンシーは、同じWPPグループである外資系広告代理店Ogilvy&Matherと同じ恵比寿ガーレンプレイスのワンフロアにあり人事や総務などの間接業務は同じ組織としてOgilvyと共通だったのですが、バレンタインの日にJoël Robuchon(ジュエル・ロブション)のチョコレートの詰め合わせをプレゼントしてくれてました。社会人1年目のバレンタインの日、まさか会社からバレンタインの日にチョコレートをもらえるなんて!しかもロブション!結構な量ある!と、感激して写真を撮り大切に大切に美味しく頂いたのを今でも鮮明に覚えています。

そもそも海外ではバレンタインは男性から女性へ贈るもの。私は新卒の時に「バレンタインは会社からチョコレートを貰うもの」という強烈な刻印付けがあったため、その後に日系の企業へ転職してからも「職場で自分が義理チョコを渡す」という発想には至りませんでした。義理チョコって何?って思ってるし、チョコをあげた/あげないで面倒を増やしたくないですし。ただ、日系の会社だと「女性社員は男性社員に義理チョコを渡すもの」という空気感が醸成されていたので、同じ部署の派遣社員さんが女性社員からお金を集めて女性社員一同という形で男性社員にチョコを配ってくれるという建て付けには参加してました。

私の隣に座っていた女性社員は「芸人並みに面白い」とチーム内で評されていたのですがバレンタインの時期になると小さなバラマキ用のチョコレートが大量に入った段ボールを置いて色々な人に配っていて、自分とのスタンスの違いに驚きつつ、「すごいな、でも逆に男性社員にとっては迷惑なのでは」とも感じてました。というのも、私は父や兄のバレンタインのお返しを買う係をずっとしていたので分かるのですが、仕事関係の女性から頂いた義理チョコのお返しはその方の趣味嗜好をヒアリングしてそれに合ったスイーツ+αで3倍返しにするなど非常に気を遣うものだからです。実際、私は上記の建て付けに参加しただけなのに、ホワイトデー近辺はチョコのお礼ランチが続いたりお礼スイーツのお返しがあったりしました。

職場のバレンタイン方針への提案

職場の義理チョコ文化を楽しんでいる層もいれば、「なんで実費で余計な労力を?」と義務的な義理チョコ文化を負担に感じている層も増えてきています。そして、職場に片想いの人が居てバレンタインに胸をときめかせている層もいます。そうした事情を考慮すると、①バレンタインには会社が従業員全員にチョコレートを配って「当社のバレンタインは従業員の皆様に会社からチョコレートをプレゼントするものです」という趣旨のメッセージを会社ブランドのトーンアンドボイスに調律して発信する、②「バレンタインは禁止/廃止」という企業として無粋なメッセージは発信しない、というのがベストだと考えます。

性別に関わらずみんなが平等にバレンタインの負担から解放されて楽しめるし、職場の自由恋愛を会社が阻害することにもなっていない。バレンタインはHAPPYでなければならない、と私は思います。Happy Valentine’s Day!(素敵なバレンタインになりますように!)