「ブランド戦略が未策定」という課題

新卒から一貫してブランドと広告の仕事に携わってきましたが、企業のブランディングには未だ多くの課題があると痛感しています。特にクリティカルな課題は、多くの企業が「ブランド戦略を策定できていない」ということです。今回は、ブランディングにおける誤解とブランディングの課題を整理していきたいと思います。

ブランディングに関する誤解

「ブランディングとマーケティングは同じ」「ブランディングとはロゴを作ること」「有名人を起用した広告でブランドは作れる」「ブランド力=認知度の高さ」「B2Bビジネスにはブランディングは必要ない」「ブランディングには莫大な費用が掛かる」「Appleの真似をすればブランドを作れる」。これらはよくあるブランディングに関する誤解です。最近は「ブランディングとはパーパスやMVVを作ること」という新しい誤解も加わりブランディングの間違ったトレンドになってしまっていることを危惧しています。

ブランディングの定義

そもそもブランドとは、各タッチポイントで得られた経験や感情から、消費者が頭の中に作り上げた変幻自在のイメージ・コンセプト。そして、ブランディングとはそのイメージ・コンセプトを生み出すメッセージや体験を企業がデザインし管理するプロセス。強いブランドを構築するためには、以下のスライドが端的に示すように360°全方位においてビジネスとコミュニケーションをブレずに一貫させることが重要です。

ブランド戦略の重要性

弊社は正統派ブランディングエージェンシーとしてアートとサイエンスの力を駆使し、パーパス、MVV、ブランドプロミスなどブランディングの8つの要素を緻密にデザインしていく7段階のプロセスでブランディングの支援を行ってますが、一つひとつのピースが一貫性をもって有機的に稼働できるようにするにはすべての軸として機能する「戦略」が必須になります。弊社が手掛けるブランディングプロジェクトは大別すると、①調査分析、②戦略立案、③実行という3つのフェーズで構成されてますが、例えば前述のロゴのデザインやパーパス・MVVの策定は③の実行フェーズに該当するため、本来は調査分析で裏付けされたブランド戦略に基づいて開発されるべきものという位置付けです。そのため、ロゴデザインやパーパス・MVVだけを開発してブランド戦略は未策定というのは設計図・基礎工事・鉄骨組み立てのない建築物のようなものと言えます。しかも、そのように突貫で作られたブランディング施策は、本来あるべきロゴデザインの要件やパーパス・MVVの要件を満たしていない場合がほとんど。ハリボテのブランディング施策はすぐに綻びが出てしまい非常に危険です。

ブランディングの課題TOP5

下記スライドは、企業が抱えるブランディングの課題のTOP5をまとめたものです(自社調べ)。「ブランド戦略が策定できていない」の他にも、「ブランドの浸透・定着の阻害要因の特定ができていない」「ブランディングの効果測定ができていない」「商品・サービスブランドのブランディングとコーポレートブランドのブランディングとの連携ができていない」「SNSなどデジタル領域でのブランディングの知見不足」といった課題を感じている企業が多く、それらの根本的な原因は、日本ではまずはマーケティングと実施してその後の梃入れ施策としてブランディングを検討するという間違った認識が定着してしまっているからのように思います。

そもそもブランディングはマーケティングの一部でありマーケティングよりも上位概念にあります。まずはブランディングを行い/リブランディングを行い、そこからマーケティングやPR、広告施策を行うというように認識を正すことから始める必要があると考えます。

ブランディングのスポットコンサル

弊社ではブランディングのスポットコンサル(事前にHPや各種資料をご送付頂いた上で、日時を決めて60分のオンラインで実施。都内のエンタープライズ企業様の場合は本社へお伺いすることもできます。)も行っており、ブランディングの様々なお悩みにお答えしています。大企業から中小企業、スタートアップまで幅広く対応実績があります。ブランディングの課題を抱えている企業様は以下のお問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。コストやスケジュールなど詳細情報をお伝えさせて頂きます。